2016年6月17日金曜日

「ジェンダーと科学の科学:ピンカーとスペルクの対論」(21)

スティーブン・ピンカーとエリザベス・スペルクとの対論をちまちま訳しています(前回はこちら).

以下,訳文:



まずは,自分の子供を親たちがどう捉えているかという研究からはじめましょう.親たちは我が子を平等に扱っていると報告していると話がさきほどスティーブからありました.親たちは息子も娘も同じように扱い,息子にも娘にも,成功して欲しいと思って同程度に励ましている――これはうたがいなく事実です.しかし,親たちが子供をどう捉えているかというと,どうでしょうか?

いくつかの研究では,子供の誕生直後に親たちに聞き取りをしています.つまり,親たちの80パーセントが訊ねる最初の疑問「男の子? 女の子?」の答えがわかった時点での聞き取りです.女の子の親たちに比べて,男の子の親たちは,じぶんの赤ちゃんをより強く,より健やかで,より大きいと述べています.また,研究者たちは赤ちゃんたちの医療記録にも着目して,男の子・女の子で体重・強さ・運動能力が異なるかどうかを調べました.

生後12ヶ月で,歩く・這う・はいはいする能力で女の子と男の子は同等です.しかし,とある研究の前に,乳幼児の運動能力の発達を研究しているカレン・アドルフは親たちに我が子が一群の腹ばい課題をどれくらいうまくできるか予測してもらいました:「お子さんは,斜面をうまくよじ登れるでしょうか?」といった質問をしたんです.すると,我が子が斜面をうまく登れるかどうかについて,女の子の親たちよりも男の子の親たちの方がより強く自信を抱いていました.アドルフが幼児たちに斜面を登らせるテストをしてみると,息子と娘でちがいはありませんでしたが,親たちの予想にはちがいがあったのです.

――今回はこれだけ.

つづきます

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